子供たちに部活から学びを得てほしい
部活動は教育活動であって、通常の授業だけでは経験しにくい人間的な成長を促すものであります。
「今でしょ!」で一躍有名になった予備校講師であり、テレビタレントでもある林修氏は著書の中で受験勉強の必要性を次のように説いています。
大学受験の勉強は多くの人にとって最も辛い経験で、「もうこれ以上できない」と思うほどです。この「もうこれ以上できない!」経験が、将来大人になった時に「あの時も頑張り切ることができたのだから、今回も大丈夫。」と自分で自分を励ます材料になるのです。
受験勉強と同じように、部活動でも「もうこれ以上できない!」と思うほどの努力をし、のちの自分の礎となる土台を作ることは十分可能です。
人生において、自分の思い通りに進むことはほとんどありません。大小様々な課題を乗り越えていく力をつけるには、小さな自信(成功体験)を積み上げることと、思い通りにいかないことに対して原因を探り(自己理解)、方法を探り(問題解決能力の育成)、PDCAサイクル等を用い、より良い方法を考える(批判的思考力)経験が必要です。
部活動は、こういった経験ができる最良の練習場なのです。
さらに、吹奏楽や合唱は一人ではできないため、部員同士の意見の食い違いによる人間関係の「適切な負荷」がかかります。この経験を通して、「相手を尊重する姿勢」「外部講師など他者とのコミュニケーション能力」に代表される非認知能力の向上も期待できます。
少子化に伴い、現在の吹奏楽部は少人数での編成になることも少なくありません。外部指導員の手配は生徒側の負担が原則であるため、小編成の吹奏楽部となると、各家庭にかかる負担が大きくなってしまいます。
現在の日本は家庭環境の複雑化が進行し、家庭間格差も拡がっています。外部指導員招致のために予算を講じる自治体もあれば、予算削減の対象とする自治体もあるのです。musikerkreisでは、小編成の吹奏楽部でも大きな負担にならないことを心がけて指導・サポートを開始いたしました。予算が足りないという場合もお気軽にご相談ください。
頑張る先生方の助けになりたい
昨今、ブラック部活という言葉をよく目にします。多くは多忙な先生方が大きな負担感を部活動で感じている意味で用いられます。
先生方の中には学生時代に吹奏楽部の所属経験があるというだけで顧問に任命されるケースも多いです。その結果、専門的な技術指導ができないという精神的負担、休日返上による時間的負担を強いられることも珍しいことではありません。
また、自分の専門性を部活動の指導にすべて活かすことは難しく、音楽の先生でもピアノや弦楽器、作曲、音楽学専攻、音楽教育専攻など、歌や吹奏楽の知識を持たないこともあります。
先生方にとっても生徒にとっても、負荷がかかりすぎることは大きな問題です。しかし、一方で部活動には大きな教育的効果も十分期待できるのです。
私は平成2年から令和2年まで東京都立高校の音楽科教員として勤務し、55歳で退職しました。多忙に追われる先生方のお手伝いができないだろうかという思いから、新しく外部講師として再スタートを切りました。
大変な環境でも顧問として頑張らなくてはならない先生方に、微力ではありますがお手伝いをさせていただきたいと考えています。