レッスン報告
2023年11月27日

都立高校の合唱指導に行ってきました 3 .その他(行事を成功させるために)

今回の内容は以下の通りです。

違いを尊重し、できる協力の仕方を探す

  • みんなが同じことができるわけではない
  • 行事にかける思いもバラバラで当然
  • 社会なんてほとんどがそんな環境だらけなので、学校行事は将来に向けてのトレーニングの場。

先生方を苦しめる業務の一つに学校行事があります。体育祭や文化祭、遠足や修学旅行の引率などが含まれます。これらの行事は当日だけでなく、企画準備の段階からホームルームの時間を使って生徒たちで話し合いが交わされます。当然ですが、これがなかなかうまくいかないものなのです。普段は授業を受けているこどもたちが自治活動を行うのですから。

私は学校の中では失敗を経験することも必要だと思っています。実社会の中では失敗は社会的な信用の失墜や経済的損失につながったりしますが、学校内での失敗は犯罪行為を除けば必要な経験といえます。安全に失敗を経験できるのが学校の役割の一つです。なぜもっと協力できなかったのだろうか? 反対に、なぜもっと周囲を思いやることができなかったのだろうか? どうして自分の意見ばかり通そうとしてしまったのか? こうした「良質の反省」を大多数の子が経験できれば、学校行事は十分成功したといっていいはずです。失敗を経験できたということは、少なくとも「何もしなかった」訳ではないのですから。子どもたちに成功も失敗も経験してもらうことが大切です。

行事に前向きな子は、周囲も自分と同じ熱量を持っていると信じてしまいがちです。体育祭で活躍できる子が文化祭でお荷物なことだって当然あるのですが、なかなか気がつかないこともよくあることです。学校は実社会と違って年齢層の幅がないため、多様性を尊重することが難しい環境下にあります。思いや能力の違いを尊重し、自分ができる協力の仕方を見つけることができればいいと思います。城の石垣のように形も大きさも不揃いな素材が組み合わさって強固なものが出来上がっていくようなイメージですね。実社会に出れば年齢層も広がり、考え方を異にする人も増えます。社内だけでなく、社外との交渉や調整も必要になります。PDCAサイクルを学ぶせっかくの機会です。体育祭や合唱祭では順位などに気を奪われがちですが、学校行事の本質はそのようなところにないということを大人が導いてあげる必要があります。

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