レッスン報告
2023年11月28日

都立高校の合唱指導に行ってきました 3 .その他(行事を成功させるために)その2

学校行事を成功に導くためには、表面的な成功ではなく、子どもたちの人格的な成長につながる経験が必要であると前回書きました。

先生方が子どもたちに同量そして同質の協力を求めるとうまくいきません。思いや能力の違いを尊重し、子どもが自分ができる協力の仕方を見つけることができればいいと思います。城の石垣のようでいいのです。形も大きさも不揃いな素材が組み合わさって強固なものが出来上がっていくようなイメージですね。音楽でもフルートはトランペットの音色は出せません。打楽器は減衰音しか出せません。みんな違っていていいのです。

また、大きな問題として、先生方にとっても行事が失敗することを嫌い、体裁を整えるために表面的な成功を求めることがあります。行事を見に来た保護者から見れば、当日の成否こそ行事そのものの成否であるからです。過程や行事後の反省などが本当に必要な学びの内容であっても、保護者や地域の方々に理解してもらいにも大変な労力を要します。先生方にはとてもそのようなことに割く時間はありません。行事が教育活動からそれ、形骸化する原因の一つになります。

誰だって形骸化し、作業化してしまったものは楽しくないですね。よく学校行事の精選が話題に上りますが。形骸化してしまった学校行事は無くした方がいいと思います。理由は、誰も達成感を味わうことができないからです。時間と労力の浪費以外の何者でもなくなってしまいます。学校が四方八方からの評価に囚われて、理想とする教育活動を思う存分できなくなってしまいました。しかし、学校教育はサービス業ではありません。サービス業は教育産業に任せておけばいいのです。先生方が多忙感、無力感を感じる業務のほとんどは本来やらなくてもいいサービス業化した業務です。

今回お邪魔した学校では、各クラス20分という短い時間ですが、以下の話を最初にしました。

  • みんなが同じことができるわけではない
  • 行事にかける思いもバラバラで当然だが、頑張りたい人の足を引っ張る資格は誰にもない
  • 社会なんてほとんどがそんな環境だらけなので、学校行事は将来に向けてのトレーニングの場

この話に耳を傾けていた生徒が多いクラスの担任の先生方は励まし方も適切になさっていました。私は2年生の生徒を受け持ちました。因果関係は定かではありませんが、結果的に総合1位から3位までを2年生が独占できました。クラスの雰囲気、一体感もはっきり感じられたので、きっと過程も結果も充実感、達成感が感じられたと思います。依頼してくださった高校の先生、いい機会に立ち会うことができました。ありがとうございました。

お問い合わせフォームはこちら