ブラスのひびき
2022年04月17日

「手」と「目」

ある看護学校の入試問題にこういうものがありました。

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看護師の「看」という字は「手」と「目」からできています。あなたが看護師に必要だと思う「手」と「目」はどのようなものだと思うか、あなたの考えを書いてください。

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この問題、非常に優れていると思い、高校生の進路指導の時には随分と活用させてもらいました。「手」は医療行為等を適切に行う専門技術。「目」は患者さんやご家族のわずかな変化に気づくことのできる心の伴った観察眼ということでしょう。

これは看護師さんに限った話ではなく、保育士さんだったり、美容師さんだったり、販売職やサービス業も含めて人と直接関わる仕事全般にいえることでもあります。

音楽を指導するときも、うまくいかない生徒さんに対してどのように原因を見抜き、適切な処置を施していくかが外部指導者の腕の見せ所になります。音楽的な課題以前に心因的な問題が結果的に演奏にブレーキをかけていることもあります。多くの場合、心因的な部分に関しては顧問の先生のお力に頼る部分は大きくなります。ただ、外部指導を依頼する顧問の先生は、そもそもそうしたカウンセリングを行う時間すら十分に取ることができない環境にあります。

生徒さんに対しても、顧問の先生方に対しても、求められている「目」と「手」で対応していかなければならないと感じています。