音楽について
2022年06月29日

じんざい

普通は「人材」と書きますが、「人財」「人在」「人罪」と書くこともあります。字からすると「人財」が一番良くて、「人罪」が一番ダメなんだろうということはイメージできると思います。

 では、それぞれがどういう意味で使われていくかを説明していきます。これはあるビジネス書を参考にしたものです。

 

 

全員が人財(=なくてはならない人)であることが理想ですけれど、現実にはなかなかそうもいかないものですよね。

 

 さて、組織には「2:6:2の法則」というものがあります。これは、働きバチや働きアリなどの集団を観察していると、全体の約2割の個体は非常によく働き、6割は普通に働き、2割はサボったり適当に働いていることがわかるというものです。人間の組織でもこの法則にかなり当てはまるという研究結果もあります。

 

 誰であっても組織に入った最初の段階は必ず「人材」に分類されることになります。この「2:6:2」と合わせて考えると、優秀な2割が「人財」、普通の6割が「人材」、ダメな2割が「人罪」と「人在」ということになる。その後の参加の仕方、過ごし方によって別のステージに移動する場合があるわけです。

 

 指導してきた生徒たちにこうした表を見せることなく、黒板に4つの「じんざい」という漢字を書いた場合、多くの生徒が「人罪」にはなりたくないといいます。もう一つは「人財」になれなくても、せめて「人材」にはなりたいと言います。つまり、「人財」>「人材」>「人在」>「人罪」という考え方ですね。これ自体は間違ってはいないと思います。きちんと考えてくれていると思います。

 

 しかし、多くの生徒が大きな勘違いしていることに気がつがずにいます。それは、「必ずしもなりたい自分になれるわけではない」ということです。最初から「人罪」になりたいと思っている人間はいないのです。当然、「人財」になりたいけれど「人材」止まりの場合もあります。では、「せめて人材にはなりたい‥」と考えている人はどうなるかは簡単に想像できるでしょう。つまり、今の自分がどんなレベルであったとしても、「人財」を目指すべきなのです。そうして頑張っている姿は、それだけで周囲にとっては良い刺激を与えるものです。

 

人間は環境の生き物ですから、環境や活動内容次第によって全員が「人材」から「人財」に成長してくれるはずです。その援助をするのが保護者であり、教育者であるのではないでしょうか。